Android 13であまり注目されていない13個の新機能・変更点

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Android 13のイースターエッグ

日本時間の 2022 年 8 月 16 日、Android 13 が正式リリースされました。この記事では、他の記事であまり注目されていない Android 13 の新機能や変更点を 13 個紹介します。

この記事は、次の環境で検証しています。

目次

1. ナビゲーションバーのデザイン変更

Android では、Android 10 からジェスチャーナビゲーションと呼ばれる機能が搭載されています。この機能は従来の 3 つのボタンでスマホを操作するのではなく、画面下部に表示されるナビゲーションバーといくつかのジェスチャーでスマホを操作します。

Android 13 では、このナビゲーションバーが Android 12 と比べて太く長くなっています。機能的には一切変わっていませんが、見た目がより iPhone に近くなりました。

Android 12のナビゲーションバー
Android 12 のナビゲーションバー
Android 13のナビゲーションバー
Android 13 のナビゲーションバー。Android 12 と比べて太く長くなっている。

2. スクリーンショットの無音化

今まで一部の国で発売されている一部の機種では、スクリーンショットを撮影する際の音を消せませんでした

しかし、Android 13 ではサイレントモードの場合に、スクリーンショットの音が鳴らなくなりました。また、サイレントモードではない場合も、スクリーンショットの音が以前と比べて小さくなっています。

3. 通知ドロワーの配置変更

通知ドロワーにおいて、設定ボタンや電源ボタンが画面下部に移動しました。これにより、指を上まで伸ばさなくても設定を開いたり、シャットダウンしたりできるようになります。

ただし、Android 12 と比べてボタンの幅が狭くなっているため誤操作の可能性は上がっています。

Android 12の通知ドロワー
Android 12 の通知ドロワーのスクリーンショット。クイック設定パネルのすぐ下に電源ボタンや設定ボタンが配置されている。

出典:Android 12 を Pixel にインストールして触ってみたレビュー - GIGAZINEより
Android 13の通知ドロワー
Android 13 では一部のボタンが画面下部に移動している。

4. 予測型「戻る」ジェスチャーナビゲーション

これは、開発者向けオプションに追加された設定項目です。開発者向けオプションは初期状態では表示されず、いくつかの手順を踏むことで設定アプリに表示されるようになる、特殊な設定です。主に実装中の機能やアプリ開発者などが利用するための設定なので、動作が安定しなかったり、深刻なバグが発生したりする可能性があります。

さて、そんな開発者向けオプションに「予測型『戻る』ジェスチャーナビゲーション」が追加されました。この設定を有効にすると、「戻る」ジェスチャーをした際にどんな画面に戻るのか、うしろにプレビューが表示されるようになります。

「予測型『戻る』ジェスチャーナビゲーション」のイメージ
「予測型『戻る』ジェスチャーナビゲーション」のイメージ。

出典:将来の予測型「戻る」ジェスチャー ナビゲーションをサポートするようにアプリを更新しますより

ただし、この機能はアプリ側での対応が必要です。私は現時点で対応しているアプリを見つけられませんでした。

「予測型『戻る』ジェスチャーナビゲーション」をサポートするために、Android 13 では新たな API が実装されています。この API は従来の API を置き換えるものです。

Android 14 までに新しい API に対応しないとアプリの「戻る」ナビゲーションを正常に実行できなくなることから、今後徐々に「予測型『戻る』ジェスチャーナビゲーション」に対応するアプリが増えていくと思われます。

5. ダイナミックカラーの強化

壁紙から色を抽出して作成したカラーパレットの色を UI に適用できる機能が「ダイナミックカラー」です。この機能は Android 12 から搭載されていましたが、Android 13 では選べる色が 4 色から 16 色に増えました。

6. アプリが許可を求めるダイアログのデザインが変更

アプリが権限の許可を求める際に表示されるダイアログのデザインが変更されました。

ボタンのデザインが、より他の UI と馴染むものに変更されています。

Android 12のダイアログ
Android 12 のダイアログ。

出典:動作の変更点: すべてのアプリ  |  Android 12  |  Android Developersより
Android 13のダイアログ
Android 13 のダイアログ。ボタンのデザインが変更されている。

7. Pixel 標準のランチャーでアプリの検索性が向上

※この項目は記憶が曖昧なので、もしかしたら Android 12 から利用できていたかもしれません。

Google Pixel 標準のランチャーは、ホーム画面を上にスワイプすることでアプリ一覧画面を表示できます。このアプリ一覧画面の上部には、検索ボックスが表示されています。

従来の検索ボックスは、ひらがなで入力するとひらがなで一致するアプリしか表示されませんでした。しかし、Android 13 からは、ひらがなで入力した場合にカタカナのアプリ名も検索結果に含まれるようになりました。

この機能は、以前から一部の日本メーカーの Android スマホには搭載されていました。カタカナに変換しなくてもアプリを検索できるのは地味に便利です。

8. 画面変遷のアニメーションの改善

Android 13 では、画面変遷時のアニメーションが変更されました。分かりやすいのが、設定アプリのアニメーションです。

具体的にどのようにアニメーションが変更されたのかは、9to5Googleによる動画が分かりやすいです。

また、画面ロックを解除した際のアニメーションは、ホーム画面のアイコンが奥から浮かび上がってくるようなアニメーションに変更されています。

9. タスクバーの追加

開発者向けオプションで最小幅を 600dp 以上にすると、画面下部にタスクバーが表示されるようになります。また、タスクバーの 1 番右のアイコンをタップすると、Windows のスタートメニューのようにアプリ一覧が表示されます。

これは大画面のデバイス向けの機能なので、普通のスマホでタスクバーを見かけることはないと言っていいでしょう。

タスクバーのスクリーンショット

10. バックグラウンド実行中のアプリの表示と停止

通知ドロワーの下部に、設定ボタンや電源ボタンと並んでバックグラウンド実行中のアプリを表示できるボタンが追加されました。

通知ドロワーのスクリーンショット
画面下部の[4]と書かれたボタンを押すと、バックグラウンド実行中のアプリを表示できる。

このボタンをタップすると、バックグラウンド実行中のアプリを表示するとともに、各アプリを停止できます。

実行中のアプリが表示された画面

11. スクリーンレコードにタップの記録が復活

Android 11 からスクリーンレコード機能が標準搭載されています。このスクリーンレコード機能には[画面上のタップも記録する]というオプションがあります。

しかし、このタップを記録するオプションは Android 12L で削除されました。これは、カーソルの描画方法が変更されたことによりタップを記録できなくなったためです。

そんな[画面上のタップも記録する]が Android 13 で帰ってきました。画面録画する際にどこをタップしていたのかが分かりやすくなります。

スクリーンレコードの設定画面

12. クイック設定パネルに[QR コードのスキャン]を追加可能に

クイック設定パネルに[QR コードのスキャン]を追加できるようになりました。[QR コードのスキャン]を追加しておけば、このボタンをタップすることで、素早く QR コードをスキャンできるようになります。

通知ドロワーのスクリーンショット

実際に起動してみると、[QR コードのスキャン]の正体は「Google Play 開発者サービス」でした。そのため、今後のアップデートで Android 13 よりも前のバージョンのスマホでも使えるようになる可能性があります。

QRコードをスキャンするアプリのスクリーンショット

13. 通知を長押しで画面分割できるように

新しい通知が来た際に長押しをしてドラッグすることで画面分割できるようになったようなのですが…残念ながら私の環境では再現できませんでした。

まとめ

Android 13 のあまり注目されていない新機能や変更点を 13 個紹介しました。この記事で紹介したもの以外にも、Android 13 では多くの改善が行われています。

Android 13 にアップデートできたら、みなさんもどこが変わったのか探してみてください!

おまけ(Android ベータプログラムについて)

Android の Beta テストに参加することで、強制的に Android 13 をインストールする方法が一部のサイトで紹介されています。その手順に従えば、自分のスマホに配信されるよりも前に Android 13 を使えます。

この方法は正規のアップデート方法ではないので自己責任になりますが、試す場合は 9 月に始まる Android 13 QPR1 よりも前にベータ登録を解除することをオススメします。

Android ベータプログラム」には次のように書かれています。

ベータ プログラムを終了する

このプログラムはいつでも登録の解除が可能です。必要に応じて、動作が安定している正式版の Android に戻すことができます。登録を解除すると、デバイス上のすべてのユーザーデータが消去されます。

ベータ版プログラムのリリース サイクル期間中に、動作が安定しているリリースの一般公開を 4 回予定しています(Quarterly Platform Releases (QPRs) の後の公式プラットフォーム リリースとなります)。ベータ版テスト中のバージョンに対して動作が安定しているリリースのアップデートを適用した場合は、次回のベータ版のアップデートを適用するまで期間限定でデータのワイプを発生させずに登録を解除できます

9 月から Android 13 の新しい Beta テスト(QPR1)が始まります。Beta テストが始まると、バグがあったり動作が不安定になったりする可能性があります。また、Beta 登録を解除するとスマホのデータがすべて削除され、バックアップの復元に失敗する場合があります。

しかし、QPR1 よりも前にベータ登録を解除すれば、データを削除されずに済みます。つまり、このタイミングを逃すと不安定な Android を使うか、データが削除されるかの 2 択を強いられることになります。解除するなら QPR1 よりも前にしましょう。

詳細は、9to5Google の記事をご確認ください。

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