Twitterの「-filter:safe」はセンシティブ判定ではない!?正しい確認方法を解説

#Chrome#Edge#Firefox#Shadowban Scanner#Twitter(X)#解説#拡張機能
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結論

先に結論を3行でまとめます。

では、ここからは詳しい情報について解説していきます。

はじめに

Twitter(X)では、2023年5月ごろに「from:スクリーンネーム -filter:safe
」と検索するとセンシティブ判定を受けたツイート(ポスト)を表示できると話題になりました。

この情報について言及するツイートや記事が多くありますが、実はこの情報は誤りです。実際、話題の発端になったツイートでは「セーフ判定されなかったツイートが見れる」と書いてあるだけで、センシティブ判定とは一言も書かれていません。

この「セーフ判定されなかった」と「センシティブ判定」は、まったくの別物です。

「filter:follows
-filter:safe
」でフォローしている人のセンシティブのみのタイムラインを構築できるという情報も当然誤りです。

以前、この件についてツイートしたところ、想定以上の反響をいただきました。

今回、より詳細な情報をまとめたいと思い、この記事を書きました。今でも「-filter:safe
でセンシティブ判定を確認できる」という誤った情報が広く拡散されているので、この記事を読んで正しい情報を知ってもらえればと思います。

filter:safe
とは?

話題になったツイート(現在は削除されている)では「from:自分のID -filter:safe
」でセーフ判定されなかったツイートを見られると書かれていました。

そもそも、この検索方法は何を意味しているのでしょうか?

Twitterでは「from:自分のスクリーンネーム」と検索することで、自分のツイートを表示できます。

また、「filter:safe
」は「(潜在的に)センシティブな可能性のあるツイートを除外する」、つまり「セーフなツイートのみ表示する」という意味です。

元ツイートでは「filter:safe
」の前にマイナスが付いているので意味が反転し、「(潜在的に)センシティブな可能性があるツイートのみ表示する」つまり「セーフではない可能性のあるツイートのみ表示する」という意味になります。

このように、元ツイートで紹介されていた検索方法は、セーフなツイートだけを表示する機能を逆転させ、セーフではない可能性のあるツイートのみを表示するというものです。セーフではないと判定されたツイートは「filter:safe
」を使用すると表示されなくなるものの、通常の検索結果には引き続き表示されます。

いわゆるセンシティブ判定との違い

ここで注意しなければならないのは、「潜在的にセンシティブな可能性がある(=セーフではない)」というのは、いわゆるセンシティブ判定とは明確に異なるということです。

技術的な話をすると、いわゆるセンシティブ判定は、ユーザーやツイートに対して「possibly_sensitive」フラグが立っている状態を指します。

このフラグが立っていると、おすすめなどへの表示が制限される可能性があります。また、検索設定で[センシティブな内容を表示しない]を有効にしているユーザーの検索結果に表示されなくなります。

さらにこのフラグに加えて、ユーザーやツイートの「possibly_sensitive_editable」というフラグがfalseになっている場合、検索結果に一切表示されなくなります。

閲覧者側(投稿者ではない)がTwitterの国設定を日本以外に設定すれば表示されることもありますが、多くの人は自動で日本に設定されているため、実質的にほとんどの日本人の検索結果に表示されなくなると言ってよいでしょう。

このように「潜在的にセンシティブな可能性がある」と「センシティブ判定」は別物です。実際に私が確認したところ、「潜在的にセンシティブな可能性がある」と判定されているものの「センシティブ判定」はされていないツイートが多く存在していました。

別物であるこれらを明確に区別するために、私は冒頭の検証ツイートで「セーフではない」という表現をしていたわけです。

これらは別物なので、「セーフではない」判定をされたからといってすぐに何か困ることはありません。

なぜ判定が厳しいのか

当時Twitterでは、「セーフではない」判定が厳しすぎて、問題ないように見えるツイートも引っかかっているとして話題になっていました。

これは、単語単位での判定ではなく、単純に特定の文字列が含まれているかどうかで判定しているためです。たとえば「カップヌードル」「〜ばかり」はそれぞれ「ヌード」「ばか」が含まれるため引っかかる、といった具合です。

つまり、「Twitterがセーフではないと判断した特定のワードが含まれているかどうか」のみがセーフ判定の基準です。

一方で、Twitterの検索は形態素解析という処理が入っており、形態素(≒単語)単位の判定になっています。つまり、単語単位の精密な判定は可能なのに、やっていないということになります。おそらく、精密な判定をすると抜け道ができやすくなってしまうため、意図的に文字列単位の判定にしているものと思われます。

なぜセーフ判定が存在しているのか

さて、ここまで色々と説明してきましたが、そもそもなぜ「filter:safe
」が存在しているのでしょうか。センシティブ判定とは別で、通常の検索結果にも影響しないなら、存在意義がないように思えます。

本当の理由は分かりませんが、私は「判定が厳しくてもよいから変なツイートを絶対に表示したくない」という用途のためだと考えています。

たとえば、テレビなどで画面の端に、番組のハッシュタグの付いたツイートが表示されるときがあります。こういった場面では、間違っても変なツイートを表示するわけにはいきません。そこで、「filter:safe
」を使えば、判定は厳しいものの変なツイートの多くを除外できるはずです。

セーフ判定はこういった用途のために存在していると考えています。これなら文字列単位の判定で抜け道を減らし、厳しい判定になっているのも納得できます。

セーフ判定は現在機能していない

さて、ここまで説明してきましたが、実は記事執筆時点ではセーフ判定は機能していません。

「filter:safe
」はフィルターではなく、ただの文字列として解釈されるようになっています。そのため、「-filter:safe
」はセーフではないと判定されたツイートを表示するのではなく、単に 「filter:safe
」という文字列が含まれていないツイートを表示する
、という意味になっています。

「from:自分のスクリーンネーム -filter:safe
」で検索すると自分のすべてのツイートが出てくるため驚いている人もいるようですが、この検索方法は現在機能していないため、気にする必要はありません。また、もし機能していたとしても前述のとおりセンシティブ判定とは別物なので、やはり気にする必要はありません。

センシティブ判定の確認方法

では、この検索ができないとなると、センシティブ判定はどうやって確認すればよいのでしょうか。とくにイラストを描いている人は、自分のツイートがセンシティブ判定を受けているかどうか確認したいかもしれません。

ツイートがセンシティブ判定を受けているか確認するには、Shadowban Scannerという拡張機能を使います。

Shadowban Scannerは、アカウントがシャドウバンされているかどうか確認したり、ツイートがセンシティブ判定を受けているかどうか確認したりできる拡張機能です。

PCのChromeとEdge、Firefoxに対応しており、無料でインストールできます。記事執筆時点では、スマートフォンのブラウザーには対応していません。

シャドウバンを確認できるツールはたくさんありますが、アカウント単位のシャドウバンだけでなくツイート単位のセンシティブ判定も確認できるのは、おそらくこの拡張機能だけです。

Shadowban Scannerをインストールすると、ツイートの下にシャドウバンやセンシティブ判定を受けているかどうかを示すメッセージが表示されるようになります。

ツイートの下にShadowban Scannerのメッセージが表示されているスクリーンショット
アカウントのプロフィールにShadowban Scannerのメッセージが表示されているスクリーンショット

デフォルトではシャドウバンやセンシティブ判定を受けているツイートにのみメッセージが表示されます。問題のないツイートにもメッセージを表示したい場合には、Shadowban Scannerの設定を変更する必要があります。

また、デフォルトでは他人のツイートやアカウントにもメッセージが表示されますが、自分のツイートやアカウントにのみ表示するように設定することもできます。

細かい設定方法やインストール方法などはこちらの記事で詳しく解説しています。

Shadowban Scannerはツイートやアカウントの状態をリアルタイムで細かく確認できるため、シャドウバン解除やセンシティブ解除の参考にもなります。

シャドウバンやセンシティブ判定を解除できなくて困っている人は、ぜひこの拡張機能を使ってみてください。

まとめ

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