Python用の爆速パッケージマネージャー「uv」誕生!Rust採用で100倍高速

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Rust言語で開発された超高速なPythonパッケージインストーラー・リゾルバー「uv」が発表されました。uvは従来のパッケージ管理ツールのpipやpip-toolsを置き換えることを目指しています。

この記事では、uvの特徴や機能について詳しく紹介します。

uvとは?

uvのGitHubリポジトリーのスクリーンショット
画像:uvのGitHubリポジトリーのスクリーンショット

uvは、2024年2月15日に発表された、Pythonのパッケージインストーラー・リゾルバーです。その最大の特徴はRust言語で開発されており、従来のツールの100倍の速度で動作する点です。

Rustは高速で安全、並行処理にも強いとされるプログラミング言語で、近年、多くの新しいソフトウェアプロジェクトで採用されています。RustはWindowsカーネルの一部で使用されているほか、Android OSの一部でも採用されています。

uvはRustの強みを生かし、従来のpipやpip-toolsに代わる、高速かつ信頼性の高いパッケージ管理ツールを目指しています。

主な特徴とメリット

uvの特徴としては、次のような点が挙げられます。

超高速なパッケージ管理

uvは従来のツールと比較して、8〜10倍の速度でパッケージのインストールや依存関係の解決ができます。キャッシュを使用した場合には、さらに速度が向上し、80〜115倍高速に処理を完了できます。

キャッシュありのインストール速度の比較
キャッシュありのインストール速度の比較。画像はGitHubリポジトリーより
キャッシュありの依存関係の解決速度の比較
キャッシュありの依存関係の解決速度の比較。画像はGitHubリポジトリーより

簡単な導入と互換性

既存のpipやpip-toolsワークフローで構築されたプロジェクトに対して、設定なしで使用できるように設計されています。これにより、既存のプロジェクトへの導入の障壁が低くなります。

さらに、モジュール化されているため必要な機能だけを利用できます。

簡素化されたツールチェーン

uvは単一の静的バイナリーとして提供され、pip、pip-tools、virtualenvの代わりを一手に担います。Python自体とは独立しているため、複数のバージョンのPythonが存在する環境でも簡単に管理できます。

インストール方法

uvのインストールは非常に簡単です。次のコマンドを実行するだけで、すぐに利用できます。

Terminal window
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh

または、pipを使用したインストールも可能です。

Terminal window
pip install uv

uvによる操作の例

uvは、既存のpipやpip-toolsとの互換性を保ちながら、より簡単な操作でパッケージ管理ができます。

uvの今後

uvとRye(実験的なパッケージ管理ツール)の連携により、uvは将来的にはPython版Cargoへと進化することを目指しています。CargoはRustのパッケージマネージャーで、非常に高速かつ信頼性の高いツールです。uvがこのビジョンを実現すれば、Pythonの開発体験はさらに向上することでしょう。

まとめ

uvは、Rustの強力な性能を背景に、Pythonのパッケージ管理を高速で便利にする可能性を秘めています。とくに、大規模なプロジェクトではパッケージのインストールや依存関係にかかる時間を大きく削減できるため、開発効率の向上が期待できます。uvの今後の発展に注目です。

参考

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